いけない!?同居生活


「これって・・・、お前バレンタインで女の子にもらったチョコじゃないか」

「こういうの、ほんとダメなんだって知ってるでしょ。悪いとは思うけど、もらっても食べないし、手作りとか、無理」

「ここに捨てるのはなし。店の客にもらったやつだろ?」

「・・・わかった。あ―あ、バレンタインなんてなくなればいいのになぁ」

「贅沢ものめ」




二人の声は、そのまま遠ざかっていく。
膝に置いていたカバンをぎゅっと握りしめる。


少しだけ、浮かれていたかもしれない。




ご飯は食べてくれているし。
私には、笑ってくれるから。



少しだけ、忘れていたかもしれない。




春さんが、女の人が苦手だってこと。
自分も、その女であること。





馬鹿だ、私。






< 228 / 357 >

この作品をシェア

pagetop