いけない!?同居生活
「これって・・・、お前バレンタインで女の子にもらったチョコじゃないか」
「こういうの、ほんとダメなんだって知ってるでしょ。悪いとは思うけど、もらっても食べないし、手作りとか、無理」
「ここに捨てるのはなし。店の客にもらったやつだろ?」
「・・・わかった。あ―あ、バレンタインなんてなくなればいいのになぁ」
「贅沢ものめ」
二人の声は、そのまま遠ざかっていく。
膝に置いていたカバンをぎゅっと握りしめる。
少しだけ、浮かれていたかもしれない。
ご飯は食べてくれているし。
私には、笑ってくれるから。
少しだけ、忘れていたかもしれない。
春さんが、女の人が苦手だってこと。
自分も、その女であること。
馬鹿だ、私。