いけない!?同居生活
「そういえば、家出とか言ってたけど、大丈夫?」
「あ、はい。とりあえず、家には帰りました」
「そうなんだ」
少しホッとする。
家の人と、ケンカでもしたのかな。
「僕、あまり家族とうまくいってないんです」
「え・・・?」
「なんていうか、実は僕、父親が小さいんですけど会社の社長で」
「え、すごい」
「小さいんで、そんな偉いもんじゃないんですけど。僕には兄がいて、その会社ももちろん兄が継ぐことになってるんです」
私が聞いていい話なんだろうか。
少しだけ、重い雰囲気に少し不安になる。
「兄はとても優秀な人で、両親の期待を一身に背負って生きてきて・・・。だから、両親は僕なんて興味ないんです」
「そんなことは・・・」
「そうなんです。だったら、最初から僕なんか産まなければよかったんですよね」
寂しげに笑った徹平くん。
そんな笑顔を初めて見た。