いけない!?同居生活


「美味しい」




ポツリと呟くように言った春さん。
よかった。口に合ったみたい。



「よかったです」

「そう言えば、あなた、どうするの?ここに、いる?」

「え、あ・・・」



そうだ。
春さんは女の人の格好をしているけど男の人で。

春さんが倒れちゃったから、うやむやになってたけど。




「あの、このままお世話になることはできませんか?」

「あなたは、それでいいの?」

「・・・はい。お願いします」




行くところなんてないし。
それに、春さんはなんだか放っておけない。
って、お世話になるくせに偉そうだけど。

春さんの事をもう少し知ってみたい。
少しだけ、優しくて、でもとりとめがなくて、どこか儚い春さんの事を。



少しだけ。




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