いけない!?同居生活
「それが、酔ってる状態に見えないんだけど」
「どうして?酔って眠ることくらいあることでしょ?」
「あくまでも、そう言い切るんだ。じゃあ、もう必要ないよね。あたしがさっちゃん連れて帰るから」
「・・・そう、じゃあ、お願いしようかな」
爽やかな笑顔のままそう言うと、沙紀を手放す。
沙紀を抱え、睨むように男を見ると肩を竦めた。
「怖い顔しないでよ。別に俺は、いいんだよ。ここで手を引いたって。でも、沙紀ちゃんは泣いちゃうんじゃないかな?その子、俺の事大好きだから」
「あんたの本性知れば、目が覚めるわ」
「君の言葉を、信じるかな?俺は、沙紀ちゃんの前でへましてないし。優しい先輩でずっといたんだから」
「あたしに、本性出してるじゃない」
「だって、君は最初からお見通しだったみたいだし?」
俺への視線はそういうことだったのか。
俺は騙せないと踏んで、手は出さなかった。
つくづくクズな男だ。