いけない!?同居生活
「――そっか。じゃあ、俺からはなにも言わない。俺、バーを人に任せっぱできたから一度戻るわ。後片付けあるだろうし」
「すいません。お世話になりました」
「なんでさっちゃんが頭下げんの。そういうのは春にさせるから大丈夫」
ポンッと頭に乗せられた手。
優しい、人だ。
誠さんを送り出し、私はふと携帯を取り出した。
そう言えば、昨日綾乃から電話があったんだ。
まだ始業時間には全然早いし、昨日綾乃が言いかけてたことも気になって電話をかけた。
――もしもし?
「あ、綾乃?昨日はごめん」
――いいけど。もしかして昨日、先輩と一緒だった?
「・・・うん」
――あ―そっか。・・・なにもされてない?
「え?」
少し言い辛そうに声のトーンを下げた。
現実を、突き付けられた気がした。