南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )



靴を履き替えて外に出れば、夏から秋へと少しずつ季節は変わり始めている。

あんだけ毎日ジリジリと頭皮を攻撃してきた太陽も、秋の訪れにタジタジって感じで…。



もう少し涼しくなってくれればなぁ〜、なんて思いながら校門を出たところで


「っ、」


私は呼吸すら忘れて足を止めた。


目の前には、昨日 南くんと笑いあっていた桃城の制服を着た女の子。


うっわー!!まつげ長!!色白!!

ほっっそーー!!


「あ、あの…すみません」

「へっ?!あ、…は、はい!」


しまった…と、思った時にはもう遅い。なんで私、立ち止まったりなんかしちゃったんだろう。


バカだ。正真正銘のバカだ。


南くんの彼女かもしれない子に、自ら足を止めて声をかけられるって何事?


「2年の、南 瀬那はご存知ですか?」

「あ、うん!クラスメイトなの…えっと、用事かな?」



やっぱり、南くんに用事かあ。


いや、当たり前じゃん。彼女だもん。

それにしても腹立つくらい可愛いな。やっぱり南くん程のイケメンにはこれくらいの可愛い子がお似合いだよね。

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