南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )
そんな事ばかりをグルグル考えていた私は、気付けば自宅前に立っていた。
こんなボーッとしてて、よくも事故に遭わずに帰ってこれたな自分。
よくやった!!
と、イマイチよく分からない理由で自分を褒めて少しでもモチベーションを上げようと必死。
ーーーーーピロン♪
ん?
部屋に着くなり、スマホが鳴る。
【今日、廊下で佑麻ちゃんのハンカチ拾ったよ!明日 クラスに持ってくね。探してたら困ると思って報告までに!】
工藤くんだ…。
ハンカチ?どこで落としたんだろ?
制服のポケットを確認してもガサガサとカバンを漁ってみても確かに、ない。
私のハンカチは、入学祝いにおばあちゃんがくれたんだけど、ローマ字で”yuma”と名前の刺繍が入っている。
良かった、拾ってもらえて。
【お気に入りだったからすごく助かりました(>_<)ありがとう、工藤くん。】
それだけ打って、送信。
茉央ちゃんのオススメは工藤くん。
チャラチャラしてそうに見えて、意外にしっかりしてるし…面倒見もいいし、それでいて子供心を忘れない。
きっと、私のことも大事にしてくれる…とか何とか。
でも、工藤くんの私に対する”好き”は、完璧に妹を可愛いがるような表現。
いや、鈍感とか天然とかじゃなくて。
これは間違いないと思うの。
とりあえず、明日 工藤くんからハンカチ受け取らなきゃ。