南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )


翌日、昼休み。


「佑〜麻ちゃん!」

「あ、工藤くん。」


てっきり朝一で来てくれるのかな?

って思ってた私は、休み時間になるたびに工藤くんを待っていた。


別にハンカチなんていつでもいいんだけど、来てくれたタイミングで私がトイレ…とかだと、申し訳ないし。


「ごめん!朝一で返しに来るつもりだったんだけど、寝坊してさっき学校来たんだ!…はい、ハンカチ。」


なんだ、工藤くん寝坊したのか。


半日勝手にソワソワしてただけだけど、このソワソワを返せと言いたくなった。


「ありがとう、工藤くん!これおばあちゃんに貰ったもので、大事にしてたの!」


「良かった、拾ったのが俺で。部活の休憩時間に教室に忘れ物取りに来たら廊下に落ちててさ!”yuma”って名前見てすぐに佑麻ちゃんのだって分かった。」


「そっか、工藤くんもサッカー部だもんね。本当にありがとう!」


そう、工藤くんも南くんと同じサッカー部。

だから、2人は”瀬那”と”俊哉”で呼び合ってる。初めて聞いた時は不思議だったけど、サッカー部っていう共通点を見つけた時は


あぁ、なるほど。


って思ったっけか。

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