南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )



「どういたしまして。」


そんな言葉と同時に、頭をポンポンと撫でられる。


ほら、見て茉央ちゃん!!


これは、妹にするみたいなポンポンだよ。確実に私、妹ポジションだよ。



”じゃ、またね!”そう言って爽やかに帰って行く工藤に軽く手を振って


「ね?あの感じは妹をあやしてる感じでしょう?」


茉央ちゃんに同意を求めるけど


「えー?好きな子に触れたいっていう男心じゃない?」


「…違うんだってばぁ。」



んん〜、やっぱり茉央ちゃんにはこの感覚が伝わらないかぁ。


「森坂と工藤って、どんな関係なの?」

「わっ!…て、嶋中くん。別にただの友達だよ。」


いつも突然現れるな、嶋中くん。


いや、神出鬼没加減なら工藤くんも負けてないけど。


「友達、ね。俺のこともちゃんと友達だと思ってくれてる?」


「もちろん!嶋中くんとも友達だよ!」


なんでそんなこと聞くの?と、不思議に思いながらも笑顔で答えると


「良かった。まずはちゃんと段階踏まないと、ね?」


「…ん、段階?」


「こっちの話。」


嶋中くんは、さっき工藤くんにされたみたいに私の頭をポンポンと撫でて廊下へと消えていった。


でも…違う。


なんか、工藤くんのそれとは何かが違って胸がくすぐったくなった。


何だこれ。

< 111 / 288 >

この作品をシェア

pagetop