南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )


ーーーーーー


「茉央ちゃん、私ちょっとトイレ行ってくる。」

「うん、行ってらっしゃ〜い。」


どんなに仲が良くても、私たちは一緒にトイレに行く事があんまりないんだよね。


そりゃ2人共トイレに行きたい時は別だよ?

どっちかが我慢して待ってるとか、そんなことはないからね?

…って、こんな必死に言わなくても伝わるか。失敬。



教室を出て、突き当たり。
見えてくるトイレ。


何の躊躇いもなく歩いていた私は、


「おい。」

「っ!」


後ろから声が聞こえて足を止めた。


それは間違いなく、南くんの声で…

最近、そう…桃城の女の子が現れるようになってから私はさりげな〜く、バレない程度に避けていた。


会いに行く機会を減らしたり…見かけても声をかけない事も増えたし、

南くんに”好き”と伝えることはもちろんしなくなった。


「何びっくりしてんだよ。人をバケモノみたいに。」

「…い、いきなり声掛けられたからびっくりしただけ!どうしたの?」


平常心だ、佑麻。

ここで取り乱したら、ここ最近 避けてた事を南くんに勘付かれちゃうもんね。


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