南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )


「お前が誰と何しようと、俺には関係ない。」


…ズキンッ


痛い。

ただ痛い。

こんな感情知らない。
知りたくなかった。


やだよって、行かないでって、言いたいのに…こんな時に意気地なしが邪魔して何も言えないなんて。


「ただ、2度と俺に話しかけんな。」


「ーーーっ」


低く、冷たく、だけど大好きな声で。


【2度と俺に話しかけんな。】

その言葉が私の体を支配する。

なんでこんな事になってしまったんだろう。なんで…どうして…


階段を降りていく南くんの背中をただ見つめながら、その場にうずくまれば

我慢してた涙が滝のように溢れ出して止まらない。


「み、なみく…うっ…うぅ」


南くんの中の私はきっと
【男なら誰でもいい尻軽女】なのかな。


枯れることのない涙を我慢することなく流しても、この気持ちが晴れることはない。
< 125 / 288 >

この作品をシェア

pagetop