南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )


ど、どうしよう。


私、2度と南くんには話しかけちゃいけないんだよね。


でも…この状況は、どうにかしないと。


「…ひ、独り言…言いまーす!!」


「は?」



話しかけなきゃ、いいんだよね?つまり、私の独り言なら問題ないでしょ?



「とりあえず、このペンキの空き缶は私1人で持てそうだなぁ〜!…最悪 2往復すればいいし!うん…だから南くんは作業に戻ってくれればいいなぁ〜…」


「………。」


ど、どうよ!

独り言作戦!!思ってる事を独り言に見立てて伝える!我ながら頭良くない?


後は、南くんが戻ってくれれば…


「………。」



…あれ、全然動かない。


「…あっ!」

それどころか黙ったままペンキの空き缶を持って歩き出しちゃった!!


しかも、ほぼ南くんが持っちゃってるから私の持ち分少ないし…


何だよ、こんな時まで優しくしてくれちゃって…突き放すならどこまでも突き放して欲しい。


急いで残りの空き缶を持って、南くんの後ろを追いかける。


空き教室の入り口を足で器用に開けた南くんが入って行くのを確認して、一呼吸おいて中に入った。


落ち着け、心臓!!
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