南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )
「ま、座って。ココアでいい?」
「あ、お構いなく!すぐ帰るから!」
キッチンへと歩き出す南くんに慌てて声をかけるけど
「ゆっくりしてって下さい。お兄ちゃん2人だから、私ずっとお姉ちゃん欲しかったんです。少し話し相手になって貰えませんか?」
「…わ、私でいいなら喜んで!」
はっ!いっけね、乙葉ちゃんの可愛いスマイルに、まんまとソファへと腰掛けてしまった。
「佑麻さんって、瀬那にぃの彼女じゃないんですか?」
小声でコソッと呟かれた言葉に、私の顔は見る見る赤くなる。
「違う違う!…ずっと片想いなんだ!」
「瀬那にぃが女の子連れて来たの初めてだったので、そうかな〜って…。やっぱり違うのかぁ。」
「…は、初めてなんだ…私」
何、初めてって嬉しいんだけど!調子乗っちゃいそう。
最近、南くんがやけに優しいから、バカな私はすぐにつけ上がりそうだよ!!
キッチンの南くんを振り返れば、せっせとココアを作ってくれている。
「あ、お兄ちゃんの昔話…知りたくないですか?」
「え!昔話?!…し、知りたい!!」
少しだけ…ココアを飲んだら帰ろう。
それまで少しだけ南くんの昔話…聞かせてもらおう。