南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )
南くんの家の庭を抜け、路地を自宅方向へと少し進んだ頃、
「キャンキャンッ」
後ろから聞こえてき鳴き声。
「ショコラ……?」
さっきまで聞いていた、可愛いショコラの声に似ていて思わず足を止め振り返る。
「っ、南くん!ど、どうしたの?」
振り返ったそこには、リードを握った南くんと、嬉しそうに尻尾を振るショコラがいた。
「…散歩。」
見て分かれよ、とでも言いたげな面倒臭そうな南くんに、私はすぐにあぁ…と納得。
「どこまで行くの?」
「適当。」
これって、もう少し一緒にいるチャンスじゃない??
てか、南くんが愛犬と散歩をしているのを、こんなにも近くで見られるなんて鼻血もん〜!!
「南くん!!途中まで一緒に帰ってもいい?」
「…好きにすれば。」
やった!まだ南くんと一緒にいれる!今日…本当についてるかも。
南くんとショコラの隣に並び歩き出す。
…南くんがいつも散歩してるのかな?見かけたことなかったなぁ。
「南くん、犬好きなんだね。」
「猫よりは犬派。」
隣を歩いている。
淡々と、でも確実に返事をくれる。
歩幅は散歩をしている今でさえ、しっかり私に合わせてくれている。
こんなの、好きが溢れて仕方ないに決まってるじゃん。