南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )


悪いことをしていた気分…


一気に嫌悪感が胸を締め上げる。



「…いや、トイレに来たら…声が聞こえたから…そのぉ」


「…ふぅん。」


あ、絶対信じてない。
疑いの眼差しで私を見てくる南くんに、本当だもんと口を尖らせる私。


「…じゃあ、何も聞いてない?」


「な、なにも…キイテナイヨ!」


「へぇ、なにも…ねぇ?」



嘘つくの下手かよ!!
カタコトになっちゃったよ!!


このまま走り去りたい衝動に駆られながらも、必死に”信じて”と南くんを見つめる。


いや、本当はバッチリ聞いてた。

聞いてたんだけど!…でも、聞いてなかったことにしたい!


なぜって?


…そんなの、目の前で眉間にしわを寄せて私を見下ろす南くんが怖いからに決まってるじゃないかぁ!!


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