南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )
結局、茉央ちゃんと宮坂くんカップルがテキパキと進めてくれたおかげで
なんとか自主研修の内容も決定。
授業が終わり、掃除へと向かう私は正面から歩いてきた工藤くんに気付いて笑顔で手を振る。
「あ、佑麻ちゃん!」
「お疲れ、工藤くん!自主研修の内容決まった?」
「ん、一応!佑麻ちゃんはまた瀬那と同じ班なの?」
「あ、うん!そうなんだっ!」
ふふっと笑って答えれば、”やっぱり…”と苦笑い気味の工藤くん。
「俺、焦ってるんだよね。」
「何を?あ!荷物がキャリーバッグに収まるか不安なの?実は私も!」
分かる分かる。
私も大きめのキャリーバッグを買ってみたけど、今のところ何か持ち物を削らないと収まる気配がない!
どうして、こんなにもあれもこれも持って行きたくなるんだろうね?
無人島に何か1つだけ!って言う究極の質問されたら絶対に答えられない。
あ、でも…『南くん♡』ってのは、ありですか?
「俺は…佑麻ちゃんが、誰かのものになっちゃわないか心配なの。」
「……へ?…私が?なんで?!」
予想してた答えとは大きくズレが生じてて驚きを隠せない私と、
「なんか、知らないうちにライバル増えてるし…分かってよ、そろそろ。」
優しく笑いながらも、どこか呆れてる工藤くん。