南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )


「な…ライバ…え?何?」

「佑麻ちゃんにはちゃんと言わなきゃ伝わらないか。…まだ誰も言ってないみたいだから、俺1抜けするよ?」


「1抜け……」


何を抜ける?
髪の毛?いや、それハゲじゃん。

工藤くんハゲたら直視出来ない。無理、掛ける言葉が見当たらない。


「俺、佑麻ちゃんが好きだよ。女の子として。」



ーーードクンッ


「あ、…うぇ…お、女の子として…?それって、私が南くんを好きなのと同じ”好き”ってことで…つまり…」


「俺、修学旅行…攻めるから。返事はまだいらない。じゃあ、またね!」


「え!あ、ちょ!工藤くん!」


行っちゃったし。
………軽いパニックだし。


え?何?
工藤くんが…私を好き?

だっていつも頭を撫でるあの優しい手はお兄ちゃんみたいに温かくて、それに工藤くんは誰にでもあんな感じだから……そんな…嘘だ。



『修学旅行…攻めるから。』


さっきの工藤くんの言葉が頭をぐるぐる回って掃除も手につかない。


……茉央ちゃんの言う通りだった。
やっぱり、私って鈍いのかな。

いやいや、自惚れんな!!

でも、やっぱり好きって言われて悪い気はしない…むしろ嬉しい。


南くんしか見てないはずなのに、不覚にも胸が高鳴ってしまった。
< 172 / 288 >

この作品をシェア

pagetop