南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )


茉央ちゃんと別れて家に着いた頃には、時計の針はもう19時を指していた。


お風呂に入ってからメッセージを送ろうか…いや、でも遅くなったら迷惑だよなぁ。



なんて、変な葛藤を繰り返すこと10分。


手元のスマホのディスプレイには【南 瀬那】と表示されていて


ニヤける。やばい、私のスマホに南くんの連絡先があるぅぅう!!!!


ヒャッホーーー!!!!


な、なんて送ろう。

す、スタンプでいいかな??
くまさんがコンニチワしているスタンプを見ながら、押そうか押すまいか……


まだ迷っている往生際のない私。



「えいっっっ!!!」


両目をつぶってくまさんがコンニチワしているスタンプを押し、目を開けて確認すれば


あ、



あぁあぁあぁあ!!!!!


目をつぶったばっかりにズレて、くまさんがウサギさんに殴りかかるスタンプ押しちゃったーーー!!!!


やばい。

やばすぎる。


「はっ、き、既読ついた。」



消えたい。怒られる。殺される。


でも、この瞬間…私と南くんは学校以外で繋がってるんだね。


それって!

それって、それって!!


「超ニヤけるーーー!!!!」


ジタバタとベッドの上で暴れ倒している私に、ーーーピロン♪


聞こえてきたメッセージ受信音。


「み、南くんかな!♡」


慌ててスマホを確認した私に飛び込んできたのは【殴って欲しいって?】


決して穏やかではない文章。

やべーーー!!!スタンプのせいで変な意味で捉えられてるんですけどーー!!


でも、さすが南くん、あくまでも自分が殴る方なのね。

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