南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )
「だから、さっきから何?」
「え、えーと、ですね?」
帰り道…サラッと一緒に帰る雰囲気になった私と南くん。
と言うのも…最近、南くんが少し丸くなったんだよね。
「南くん」と切り出せば「なに?」と返事をくれる。
え?当たり前でしょって?
分かってない!全然分かってない!!
今までの南くんは「南くん」と切り出せば「うるさい」が当たり前で、話を聞く姿勢なんてこれっっぽっちも見られなかったんだから!!
「だから、何?」
10日後の25日…空いてますか?って聞きたいのに、聞けないままモジモジしてしまう。
「あ、あの…南くん25日…」
「25日が何?」
いい加減早く言え、とばかりに鋭い眼差しを向けられ早くも気絶寸前…
一度深呼吸して自分を落ち着けた私は、
「25日って、空いてますか!?」
言った!ついに言った!!
よし…あとは、私の誕生日だから…って、良かったら遊びに…って
「空いてない。」
遊びに………
「…へ?」
素っ頓狂な声って、こんな声かな?予想してた答えとは違う答えに目を見開き立ち止まれば
「あー、日中なら空いてる。夜は乙葉の誕生会で家族で祝う事になってる。」
「お、乙葉ちゃん25日が誕生日なんだ!」
残念な気持ちに、乙葉ちゃんと誕生日が同じっていう運命的な出来事への驚きが勝る。
「ん。何かあんの?25日。」
「え…っと、なななんにも?ただちょっと聞いてみた…だけ。」
私の返事に全く納得していないらしい南くんは尚も鋭い眼差しを私に向けている。