南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )

驚いたように目を見開いたかと思えば…そっぽを向かれてしまい焦る私。


き、教室で…しかも大声で変な事言ったからまた怒らせたかもしれない。


どどどうしよう。


そんな私達を交互に見た工藤くんは


「…なになに？惚気大会？」

なんて茶化してくるけど、今それどころじゃな…


「そゆことだから、俊哉は帰れ。俺たちこれから忙しい。」


はい？！


南くんはサラっと工藤くんをあしらうと、そのまま私の手を引き歩き始める。


「…ま、待って！南くん？！ど、どこ行くの？」


え、これって何？
お叱りを受けるパターンのやつ！？

教室であんな恥ずかしい事 大声で言うなって怒られちゃうやつ？！


待ってよ〜、私たち付き合い始めて今日で2日目だよ？世のカップルたちは2日目って言ったらそりゃもう、ラブラブなはずだよ？


南くんは止まる事を知らず、そのままどんどん空き教室の方へと進んでいく。


ヒェエェエェエエ

人目につかないところで？！
これ、完全に激怒だよ。やばいやつ。


あー、なんで私ってこう南くんを怒らせるのが得意なんだろう。


「み、南くん！ご…ごめん…なさい！」

「…なにが？」


空き教室の扉に手をかけた南くんは、私を振り返りそれだけ呟くと


———ガラッ


ためらう事なく中へと進んだ。