南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )
とは言え……
「何、さっきから。」
「えっ?!…いや、何も?」
顧問の先生が出張で部活が休みらしい南くんと一緒の帰り道。
『名前で呼ぶチャンス!頑張ってね!』なんて、茉央ちゃんに言われてしまった私は
いつ言おう…どのタイミングで呼ぼう…
そんな事ばっか考えちゃって、南くんに不審な目で見られる始末。
「嘘つけ、早いとこ吐いとけば?」
隠し通せるわけがない。そんな顔で私を見つめる南くんに
自分でも、隠し通せるわけがないと思っているのは私です。
でも『名前で呼びたい。』って、たったそれだけ告げるのにも、すごい緊張するし、南くんはなんて思うかな?とか
瀬那くんって……呼び慣れてなくて恥ずかしいな、とか。
乙女心は色々と複雑なんだよ。
なーんて、南くんを見上げれば相変わらず整った顔すぎて。
あー、余裕で鼻血出る。アーメン。