南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )


「ごめんごめん!じゃ、また今度 遊びに行くね。」

「ん、待ってる。」


…家に…?

え、なに…家に招いちゃうくらい親しい人なの?


手をひらひらさせながら、私にも軽く微笑んで帰って行く女の人を見つめながら、


胸の奥で溜まってく黒い感情が今にも溢れそうになる。


「…わり、帰るか。」


何事も無かったように歩き出す南くん。


私も何事も無かったように歩き出したいのに、笑顔で今の人誰?って聞ければいいのに


鉛のように重たい足は一歩も前には出てくれなくて、


でも、こんな醜い感情に呑まれてるなんてこと南くんには知られたくなくて、


たった数分の出来事で、こんなになるほど自分自身がモロかったなんて情けなくて。


堪えてた涙が、一気に溢れ出すのを感じた。
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