南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )
「〜っ、ぅ…」
もう、今の時点で南くんに泣いてることを隠すのは不可能だって…頭では分かってるのに
出来るだけ、嗚咽を堪えさえすれば…まだ隠せるかもしれない。
なんて、甘い考えも捨てきれなくて。
気づいて欲しいけど
気づいて欲しくない
この乙女心が分かる?って、南くんに聞けば『分かりたくもない』って言われそうだ。
「…は?!…佑麻?」
数歩歩いてから、私が歩き出さないことを不思議に思ったらしい南くんが振り返って
「…ご、めん…なさいぃ〜」
なぜか全力で泣いている私を見て、心底驚いている。
泣いちゃってごめんなさい。
要領悪くてごめんなさい。
付き合う前は、こんなにヤキモチ妬くことなんて無かったのに。
きっと、今の私は
心のどこかで『私の南くん』だと思ってしまっているんだと思う。