南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )


「俺、嬉しいけど。」

「…な、何が?」


あれから、再び歩き出した私たち。


「付き合う前から、俺ばっか嫉妬してる気がしてたから。」


”佑麻が妬いてくれたの、嬉しい。”


そう言ってニヤッと笑う南くんに、恥ずかしくて顔から火が出てる。

絶対出てる。
消防呼んだほうがいいかな?!


「…み、南くんはいつも…余裕たっぷりだったよ。」


「そんなことねぇよ。…てか、名前で呼べよ。」


”呼び方戻ってる”そんな南くんの指摘に、ハッとする。


「……な、慣れなくて。」


「……まぁ、いいけど。佑麻に”南くん”って呼ばれんのも嫌いじゃない。」


「っぐは」


やけに素直な南くんの隣を歩いてる私は、いつか鼻からの多量出血で輸血が必要になりそう。


「…ちなみに、さっきの……誰か知りたい?」


私を試すような視線を向ける南くんに


「……っ、し、知りたい!」


少し、がっつき過ぎたかな…なんて思ってたら


「…ぶっ、必死すぎ。」

案の定笑われてしまった。

だって、気になるんだもん。い、家にまで呼ぶような仲なんでしょう?
< 286 / 288 >

この作品をシェア

pagetop