南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )


「っ、」


不意に南くんと目があって、慌ててそらしてしまうのは調理実習の時のヤキモチがまだ処理しきれていないから。


あーあ、困った。
こんなことでいちいちヤキモチなんて妬いてたら愛想尽かされる。


分かってはいても、どうしようもなく南くんへの気持ちが溢れちゃう。


「何?ついに瀬那はやめて俺にした?」

「…い、いいから早く貰って。」


半ば強引に押し付けるように、工藤くんへクッキーをあれば、南くんからの痛いくらいの視線に気付く。

でも、その視線へ振り向くことは出来なくて、早く家に帰りたい。今はただそんな思いだけが私を動かしているみたい。
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