南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )
「……なんで。」
口にしてから、ハッとする。
”なんで”なんて分かりきってることじゃん。
南くんが、私を好きじゃない。
ただそれだけの事なのに、どうしてこんなにも胸が苦しいんだろう。
紙にはなんて書かれてたのかな?
南くんと一瞬、目があったのは気のせい?
南くんが手を引いて走った後輩は…南くんの事を好きになったりしない?
変な不安ばっかり募っては、積もっていく。
気付けばとっくに南くんはゴールしたみたい。もう南くんの姿も、一緒に走った後輩の姿もなくて、大事な南くんのゴールする瞬間を見逃したことに落胆。
「…南くんの、バカ。」
小声でボソッと呟いた言葉に、
「…誰がバカだよ。」
すぐ横で声が聞こえて思わず目を見開いた。