南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )


「スーパーポジティブはウザイけど、ネガティヴはもっとウザイ。」

「…っ、どのみちウザイんじゃん。」


あーあ、もう!
たかが3文字の横文字に何で泣きそうになってんの、私。


ウザイなんて、言われ慣れてるくせに。


頭の中はさっき、南くんが後輩の女の子の手を引いて走ってる場面が永遠リピートされてて

自分でも嫌になるくらいショックを受けてる。そりゃもう隠しきれないほど。


「次の競技は、2年女子による…」


アナウンスが流れてホッとする。
南くんから逃げる口実が出来た。


……南くんから離れたい。
そんな思いをしたのは今が初めてかもしれないなぁ。


南くんって出逢って2年が経った今でさえ”離れたい”なんて思えるほど近い存在じゃないから。
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