南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )
…って思ってたのに。
やばいかも、もうすぐ自分の番。
頭はクラクラして、なんだか焦点も定まらないんだけど。
「やっば、」
小さく誰にも聞こえない声で呟いてみても当たり前だけど、誰も気にとめることはない。
「位置について、よーい…バーン」
私の前の走者が走り出して、ついに次は自分。
スタートラインに立つべく、立ち上がろうと試みた私は、いきなり目の前が真っ白になって、それに伴い頭も真っ白になる。
うわぁあ〜、最悪。
どうなってんの、これ。
ただただ、白い。
「…ったく、バカ。」
ふと、近くで南くんの声が聞こえた気がして必死に目を凝らすけど、やっぱりただ白いだけで他に何も見えない。
次の瞬間、体がフワッと宙に浮くような感じがして
私は、そのまま意識を手放した。