南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )
「…はぁ、はぁ…み、南くん!」
グラウンドの端っこをひたすら走って、南くんのいる控え席へと辿り着いた頃には、肩で息をするほど呼吸は乱れていたけれど
不思議と苦しくはない。
「………。」
私を見つけても、表情1つ変えない南くんに、本当に私を保健室まで運んでくれたのか?と疑問に思いつつも、
「あ、あの…重かったよね!嫌だったよね!でも、わざわざ運んでくれて本当にありがとう!覚えてないけどすごく嬉しい!…あ、スポーツドリンクもありがとう!」
言いたいことを息継ぎするのも忘れて南くんに投げつける。
「……はぁ。」
「……?南くん、本当ありが「バカなの?」
「…へ?」
ため息をつかれた事にもめげずに、再度お礼を言おうと口を開けば、椅子に座っていたはずの南くんが、気づけばすぐ目の前にいて
「…なんで、すぐ保健室いかねぇの?」
「は、走り終わったら水分補給しようと思っ「しかも、さっき倒れたばっかなのにそんな全速で走ってくんな。」
「わっ!」
さっきから言いたい事の途中で言葉を遮ってくる南くんに、一言物申したいのに
私の腕を引っ張って、自分が座っていた椅子に私を座らせてくれる南くんの優しさに胸がキュンってして
もう、何も言えなくなる。