南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )
何がどうなってるんだろう。
ない頭をフル回転させたって、答えにたどり着くはずもなく…。
「み、南くん…パーカー返そうか?」
少し人気の少ない海辺まで連れて来られた私は、南くんと2人きり!!なんてはしゃぐ気にもなれず…
ただ沈黙が続くこの状況から抜け出したくて声を出す。
「は?」
ひぃ!!!
な、なんで怒ってんの!
だって、嶋中くんに触られて怒るくらい大切なパーカーを、私が借りて着てる方が不自然って言うか…
「大事なパーカーなんでしょう?」
「…つーか!…はぁ。いいから着とけ。水着で居られる方が無理。」
グサッッ
まじか、まじですか。
嶋中くんに触らせたくないほど大事なパーカー。
私に貸してくれてる理由は…水着姿を見るよりマシだから!ですか。
「…あ、私…服に着替えてくるよ!だからパーカー返す!!」
そうだ、そうしよう。
そしたら南くんの大事なパーカーは返せるし、水着姿を見せなくても済む。