南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )
ーーーーーーーー
「遅いな、瀬那のやつ。」
「18時に鳥居前って伝えたんだよね?」
「……うん、一応。気が向いたら来てくれる…って。」
結局、あれよあれよと夏休みはやってきて今日は約束の夏祭り。
只今の時刻、18時10分。
約束の時間から10分が経っても南くんは来る気配がない。
「気が向いたらってなんだよ!」
はぁ…とうな垂れる宮坂くん。
そうだよなぁ。
せっかく隣には浴衣姿の可愛い茉央ちゃんがいるって言うのに、お祭りに行くのおあずけさせれるんだもんね。
よし…
「あ、南くんからだ。」
私はそう言うと、スマホでメッセージを確認するそぶりを見せる。
いや、実際はメッセージなんて届いてないんだけどね?
って言うか…南くんの連絡先すら知らないっていう悲劇。
「なんだって?」
「えーっと…あと10分くらいで着くみたい!…だから2人は先に行ってて?私は南くんが来たら一緒に行く!」
”ね?”と宮坂くんに目配りすれば、コクンと頷いて茉央ちゃんへと向き直った。