南くんの彼女 ( 熱 烈 希 望 !! )
思わず昔読んだ大好きな漫画の大好きなワンシーンを思い出して
つい口走ってしまったけど
…1歩間違えば、私がキスしたいって言ってるみたいじゃん!!!
「……あ、違!い、今のなし!」
「ふぅ〜ん、強引なのが好きなわけ?」
違っ!!!
いや、南くんになら何されても…って
「そ、そうじゃなくて!そんな漫画あったなぁ〜って…懐かしくなっただけ、です。」
「……あっそ。」
ヒュ〜〜〜〜
ーーーーーーードーーンッ
「…あっ、」
タイミングが良いのか、悪いのか。
花火が夜空に打ち上げられて、2人を照らした。
「…始まった、な。」
南くんの言葉に頷いて、私は石段から立ち上がる。
さっきまでの事なんて何1つ忘れて、ただ目の前に広がる花火に夢中になる。
「綺麗〜!!ね、南くん!あれハートの形だよ!」
「あ?いや、桃だろ。」
「え”!!どう見てもハートだよ!」
桃って南くん!
花火大会でわざわざ桃の花火を上げて誰が喜ぶんだってーの。
「あ!今度はニコちゃんだ!」
どんどん打ち上げられる花火を、南くんの隣で見ている。
それが、夢みたいで嬉しくて、終わらないでと願った。