恋愛感情という名の壁
ステップ
小さい頃から体が弱くて、学校にもろくに行けない日々が続いていた。
外で遊ぶ子達が羨ましくて、1度病室を抜け出して1人で公園まで走っていったことがある。
胸の高鳴りと、夏の陽炎のゆらめきが、なんだか比例しているみたいに大きく揺れて、心が踊っていたのを覚えている。
「はぁ、はぁ、はぁ、っ...はぁ、」
初めて走ったにしては遠くまで来て、すく右には公園の入口。
僕は、足を踏み入れることなく、崩れ落ちたのだった。
「...かはっ!!」
息が上手く出来なくなって、目の前が眩んだ。
ここで息絶えるのか、短い人生だったなとか、子供ながらに考えていた。
ジリジリと当たる大好きな太陽の光が、その時では、僕を焼き尽くそうと当てられるバーナーのようだった。
「ねぇ、大丈夫?!」
小さな誰かが僕を抱き起こしたのは分かった。
こんなに人の手って温かいんだ...。
「っ、し、...お、...し、きろ!!おい、たかし、起きろってば!」
「っ!か、...とう...。あぁ、加藤か...焦った...。」
昔の夢を見ていたらしい。
なんだか懐かしい気分に浸る。
あの頃に比べれば全然体も良くなったけど、それでも激しい運動はダメだし、走る事もままならない。
ましてや、車椅子から降りてみんなと同じペースで歩くなんて言語道断。
ベット生活から離れられただけでもかなりの進歩。
治らないとされていた足の痛みや、痙攣は、僕の努力の結晶により治った。
「悪い、で、何?」
「何じゃねーよ!話聞いてくれよ。だから、昨日うちの妹がさ、不良に絡まれてたらしくってさ、」
再びフェードアウトしていく加藤の声。
俺の意識は、先程の夢に戻されていた。
あの子は誰だったんだろう。
優しい声色。
なんだか、思い出せそうなきがする。
なんだっけ...は、否、さと...違うな...あくつ...そう、「阿久津くん」だ。
たしか、彼の名前は阿久津だったはず。
「お前、隆!!俺の話を聞けってば!!」
「あ、悪い」
そして悪びれもなく僕は、再び阿久津くんについて考えるのだった。
外で遊ぶ子達が羨ましくて、1度病室を抜け出して1人で公園まで走っていったことがある。
胸の高鳴りと、夏の陽炎のゆらめきが、なんだか比例しているみたいに大きく揺れて、心が踊っていたのを覚えている。
「はぁ、はぁ、はぁ、っ...はぁ、」
初めて走ったにしては遠くまで来て、すく右には公園の入口。
僕は、足を踏み入れることなく、崩れ落ちたのだった。
「...かはっ!!」
息が上手く出来なくなって、目の前が眩んだ。
ここで息絶えるのか、短い人生だったなとか、子供ながらに考えていた。
ジリジリと当たる大好きな太陽の光が、その時では、僕を焼き尽くそうと当てられるバーナーのようだった。
「ねぇ、大丈夫?!」
小さな誰かが僕を抱き起こしたのは分かった。
こんなに人の手って温かいんだ...。
「っ、し、...お、...し、きろ!!おい、たかし、起きろってば!」
「っ!か、...とう...。あぁ、加藤か...焦った...。」
昔の夢を見ていたらしい。
なんだか懐かしい気分に浸る。
あの頃に比べれば全然体も良くなったけど、それでも激しい運動はダメだし、走る事もままならない。
ましてや、車椅子から降りてみんなと同じペースで歩くなんて言語道断。
ベット生活から離れられただけでもかなりの進歩。
治らないとされていた足の痛みや、痙攣は、僕の努力の結晶により治った。
「悪い、で、何?」
「何じゃねーよ!話聞いてくれよ。だから、昨日うちの妹がさ、不良に絡まれてたらしくってさ、」
再びフェードアウトしていく加藤の声。
俺の意識は、先程の夢に戻されていた。
あの子は誰だったんだろう。
優しい声色。
なんだか、思い出せそうなきがする。
なんだっけ...は、否、さと...違うな...あくつ...そう、「阿久津くん」だ。
たしか、彼の名前は阿久津だったはず。
「お前、隆!!俺の話を聞けってば!!」
「あ、悪い」
そして悪びれもなく僕は、再び阿久津くんについて考えるのだった。