BLACK BLOOD
理由はわからない。
お昼ご飯にプリンを食べて少し気分が浮かれてたとか、
これといった理由はないけど、
ただ、相手のことを知るなら自分のことも話さないといけない気がした。
「私ね、あと2ヶ月で死ぬらしいんだ」
ササキの反応が怖くて後ろを向く。
別に同情を求めたわけじゃなく、ササキにどうにかしてほしいわけでもない。
単にササキの横顔が綺麗だったからかもしれない。
「………」
「あれ、驚くのかと思ったのに…」
何も声を出さないササキに逆に驚いて振り返ると、そこには、
「……っ…」
ただ涙を流して立っているササキがいた。