ナイショの恋人は副社長!?
優子の後をつけ、実家まで連れてきた柾利とは、いわゆる優子の幼馴染だ。
優子よりふたつ上の柾利は、幼少期から武徳の元で空手を習い、大会では入賞したこともある腕の持ち主で、今でもここに通い続けている。
そんな彼は、『家族みたいなもの』と言われるくらいの時間を鬼崎家で過ごしていた。
「だったら、なおさら私はもう必要ないでしょ」
「だけど、〝鬼崎〟の姓を持つのは優子だけだからな」
「今時、そんなの拘らなくったっていいじゃない」
「じいさんから受け継いだ道場だし、それなりに責任というものがある。でも、優子にその気がないのならと、いい案を考えた」
「いい案?」
優子は眉を顰めて疑うような目をして聞き返す。
すると、武徳は自信たっぷりという顔つきで大きく頷いた。
「お前、柾と一緒になったらどうだ?」
「は、はぁ!?」
父親のあまりに突拍子もない回答に、優子は開いた口が塞がらない。
しかし、武徳は冗談ではなかったようで、意気揚々と続ける。
「そうしたら、事実上の息子にもなるし、お前も跡を継がなくていいし、一石二鳥だ」
「ばっ、バカじゃないの! ちょっと、柾兄もなんか言ってよ!」
「オレは別に嫌じゃないけど……」
「な、なに言って……」
柾利に助けを求めるも、信じられない答えが返ってきて、優子は頭を押さえて目を伏せる。
「オレ、優子のこと好きだし」
「優子も柾のことを昔から慕っていたし、大きな問題はないだろう?」
「待ってよ……! 私にだって、仕事とか、いろんな事情が」
閉口しているのをいいことに柾利と武徳が話を進めるが、優子は強引な話の流れに声を上げて反論する。
しかし、その言葉に被せるように、武徳がさらに驚く発言をした。
優子よりふたつ上の柾利は、幼少期から武徳の元で空手を習い、大会では入賞したこともある腕の持ち主で、今でもここに通い続けている。
そんな彼は、『家族みたいなもの』と言われるくらいの時間を鬼崎家で過ごしていた。
「だったら、なおさら私はもう必要ないでしょ」
「だけど、〝鬼崎〟の姓を持つのは優子だけだからな」
「今時、そんなの拘らなくったっていいじゃない」
「じいさんから受け継いだ道場だし、それなりに責任というものがある。でも、優子にその気がないのならと、いい案を考えた」
「いい案?」
優子は眉を顰めて疑うような目をして聞き返す。
すると、武徳は自信たっぷりという顔つきで大きく頷いた。
「お前、柾と一緒になったらどうだ?」
「は、はぁ!?」
父親のあまりに突拍子もない回答に、優子は開いた口が塞がらない。
しかし、武徳は冗談ではなかったようで、意気揚々と続ける。
「そうしたら、事実上の息子にもなるし、お前も跡を継がなくていいし、一石二鳥だ」
「ばっ、バカじゃないの! ちょっと、柾兄もなんか言ってよ!」
「オレは別に嫌じゃないけど……」
「な、なに言って……」
柾利に助けを求めるも、信じられない答えが返ってきて、優子は頭を押さえて目を伏せる。
「オレ、優子のこと好きだし」
「優子も柾のことを昔から慕っていたし、大きな問題はないだろう?」
「待ってよ……! 私にだって、仕事とか、いろんな事情が」
閉口しているのをいいことに柾利と武徳が話を進めるが、優子は強引な話の流れに声を上げて反論する。
しかし、その言葉に被せるように、武徳がさらに驚く発言をした。