ナイショの恋人は副社長!?
「来た来た。この子だ。インフォの新人」
それは、明らかに優子を指してる言葉。
パッと足元から視線を上げると、見知らぬ女子社員が三人立っている。
腕を組んでいる手には、財布と携帯。それを見て、休憩に入るところなのだとわかった。
「あの……?」
「最近、副社長に近づいてるらしいじゃない?」
突如、不躾な態度で言われた言葉に優子は目を剥く。
囲まれた三人のうち、今の言葉を放った目の前に立つ女子社員を見て言った。
「近づいて……って、そんな」
「見た子がいるの。社員用裏口で待ち伏せしてるところ。それにこの間は、昼過ぎに、裏手の方で副社長を呼び出してたって」
その女は優子の言い分に聞く耳も持たず、忌々しいものを見るような目つきで言葉を重ねていく。
「今朝も、副社長に熱視線送ってたみたいだし」
すべて、そのひとりの女が発言しているところを見ると、優子は目の前の彼女こそが、敦志に対して執心しているのだと悟った。
(やっぱり、人気があるのは社長だけじゃないよね)
具合が悪いせいか、いつもにもまして客観的に自分の置かれている状況を見ると、冷静にそう納得する。
黙っている優子に対し、怒りが抑えきれないのか、その女は何か貶める材料はないかと目を光らせる。
すると、その視線が優子の左胸に留まった。
「ONIZAKI……鬼崎? へ~。インパクトある名前。でも似合ってるのかな? 大人しい見た目をして、中身は図太いみたいだし」
まるで小学生レベルの苛めだ。
普段の優子ならば、この程度の絡みならば、涼しい顔でうまく交わしているかもしれない。
けれど、今ばかりは平気な顔ではいられなかった。
それは、体調不良であることと、もうひとつ――。
それは、明らかに優子を指してる言葉。
パッと足元から視線を上げると、見知らぬ女子社員が三人立っている。
腕を組んでいる手には、財布と携帯。それを見て、休憩に入るところなのだとわかった。
「あの……?」
「最近、副社長に近づいてるらしいじゃない?」
突如、不躾な態度で言われた言葉に優子は目を剥く。
囲まれた三人のうち、今の言葉を放った目の前に立つ女子社員を見て言った。
「近づいて……って、そんな」
「見た子がいるの。社員用裏口で待ち伏せしてるところ。それにこの間は、昼過ぎに、裏手の方で副社長を呼び出してたって」
その女は優子の言い分に聞く耳も持たず、忌々しいものを見るような目つきで言葉を重ねていく。
「今朝も、副社長に熱視線送ってたみたいだし」
すべて、そのひとりの女が発言しているところを見ると、優子は目の前の彼女こそが、敦志に対して執心しているのだと悟った。
(やっぱり、人気があるのは社長だけじゃないよね)
具合が悪いせいか、いつもにもまして客観的に自分の置かれている状況を見ると、冷静にそう納得する。
黙っている優子に対し、怒りが抑えきれないのか、その女は何か貶める材料はないかと目を光らせる。
すると、その視線が優子の左胸に留まった。
「ONIZAKI……鬼崎? へ~。インパクトある名前。でも似合ってるのかな? 大人しい見た目をして、中身は図太いみたいだし」
まるで小学生レベルの苛めだ。
普段の優子ならば、この程度の絡みならば、涼しい顔でうまく交わしているかもしれない。
けれど、今ばかりは平気な顔ではいられなかった。
それは、体調不良であることと、もうひとつ――。