複数人(ヤンデレ)に求愛されています
「外は汚れるからイヤだよね」
「分かっていない!?」
「フィーナの背中に皮剥けが出来たらイヤだし、やっぱり柔らかいベッドがいいよね」
「どれだけ過激なのを想像中で!?へ、きゃっ!」
お姫さま抱っこをされた。
「このまま行こうか。今なら他の門番も、サボっているだろうし」
「あなた含め、仕事して下さいよクラビスさん」
暴れようとすれば、声を上げたら他の『クラビス』も来るよと言われてしまった。
「この城には村ほどの人数はいないけど。村の奴らよりもよっぽど、君が好きすぎて『どうにかなった奴』が隔離されている城でもあるから」
引きつった声が知らずと漏れ、体を硬直させる。
「そいつらに会いたい?」
首を横に振る。
「だよねぇ。俺が守ってあげる。誰にも見つからないように、宝石箱の中にしまうように、ずっと保管して、愛でてあげよう」
血眼になって私を追いかけてきた村人たちに恐怖したけど、それでも動けた。しかし、この門番さんに対しては蛇に睨まれたゲノゲさんよろしく、体が言うことを聞かない。
戦慄し、どうあがいても無理だと諦め、逃げようとする意思は全て震えに変換されてしまう。
それだけ彼は、私を。
「誰にも、渡さないよ」
行きすぎるほど愛しているんだ。