悲しい時も苦しい時もやっぱり笑顔で
ある昔の記憶の破片が絶対に忘れられない。

家族で4人、寒い「Genting Highland」というマレーシアの山の上の遊園地へ旅行に行った。

母は22歳で若かったから
母はアトラクションを楽しみたかった。

私達はそのアトラクションにはまだ乗れないので、
父は私達を見守った。

母が私のそばから離れた瞬間、
どうしてか泣いてしまった。

父は頑張って私を励ましていたが
泣き止まなかった。

理由が分からないのに、
ただ泣き続けた。

その時だった。

弟が面白い噴水に連れて行ってくれた。

私達はその水で遊んでいた。

何も気にしなくて、

何も考えなくて、

笑っていた。

体がびっしょりだった。

あの場面の記憶が最後だった。


「最後」って?

笑っている実母の最後の記憶だった。
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