青い春
青い春
まだ、春になりきれていない風が、旅立ちの不安に煽られる僕達の背を優しく押した。
校門を少しだけ出たところで、振り返り3年間を過ごした古めかしい校舎をゆっくりと仰ぐ。
もう、ここに来ることはないだろう。
少し切ない気持ちを抱きながら、再び歩き出した。
「…!!」
誰かが何かを叫んでる。
「待てって!!椎!」
「ん?」
自分のあだ名を呼ばれて、ようやく振り返ると、肩で息をする琉二の姿があった。
「りゅう?どうした?」
琉二は、息を整えると、だって、最後だろ?と呟いた。
「んー、そうかな?ボク達高校一緒でしょ?最後じゃないじゃん。」
琉二は納得いかないらしく、だーっ!とか、あーっ!とか叫ぶと、こんなの俺のキャラじゃないけど、と、わざわざ前置きして、
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