君との距離40センチ。

「はよ。」

「廉じゃーん!」

「お前が朝から来るとか、
今日雪でも降るんじゃね?」

「やっぱ廉が居なきゃだよな~!」






「うるせーよ。」



ざわざわしていた教室が、
一瞬にして静まる。


「…北澤くん、席に着いて下さい。」

「うるせーって言ってんの。」

「………はい。」

「帰れ。」



脱兎の如く教室を出て行った先生。

「やべー!さすが廉!」

「このまま遊び行こーぜ!」



「か、佳奈…。あの人は何者?」

「ええっと。北澤廉。
理事長の連れ子で、
権力を恐れた教師達からは
腫れ物扱いされてるみたいね。」




寝ていたはずの芽依ちゃんが、
スマホを見ながらそう読み上げた。
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