風を浴びて
「だからね、私たち由奈さんの気持ちとかわかってあげたいんですよ!共感?したいんです!」

「そうそう!そうなのよ!でも、悲しいとか寂しいとかそんな言葉で片付けられるような気持ちとは違うからさ、なかなか私たちも踏み込めないわけよ!」

「二人とも落ち着いて…」

「はい!私決めました!由奈さんのために、今石橋さんにできるケアを一生懸命します!」

「それはいい!えらい!じゃぁ具体例をあげなきゃ!」

「あのー…」

「石橋さんの場合、寝たきりなんで…」

「褥瘡形成は今のところないから、現状維持できるように今までのケアを徹底しなきゃね」

「そうですよね!ね!あとは…リクライニングに1日1回起こすのはどうですかね?」

「それは脳に負担がかかるかもしれないから無理ね」

「あーそっか…うーん…」

「二人ともありがとうございます」


由奈のにっこり笑った顔に二人は驚き、とても嬉しそうな顔をした。


「二人のような方たちにお世話してもらえるなら、由宇もきっと目を覚ますはずです!」

「よかった」

「そう言ってもらえると、頑張れます」

「由奈さん。今一番の薬は由奈さんが諦めないことだと思うんです」

「昼間の由奈さん見て私たちすごく心配してました。でも、由奈さんなら大丈夫だって私たち信じてます」

「だから、一緒に頑張るサポートをさせてください!」

「私たちにできることならなんでも力になります!」


その言葉に、由奈の涙は止まらなくなった。今まで溜め込んでたものを吐き出すように涙は次から次へと流れた。


「こんなに…こんなに…」

「いいんですよ。泣いても」

「今まで頑張りすぎたんです」

「ありがと…ありがと…」


結局、三人で泣きまくり飲み明かした。
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