不機嫌ウイルス



「晴人は私の事本当に好きなの……?」


気が付くとポロポロと涙が出ていた。


「……つーか、涙黒いんだけど」

「ばかばか!晴人の馬鹿!もういいよ!」


私はグチャグチャの顔で晴人を叩いた。


「なに、ちょっと落ち着け」

晴人は私の手を取って制服の袖で私の顔を拭いた。


「わ、ま、待って。制服マスカラで汚れちゃう。
ってか晴人若干潔癖じゃん。こんなの……」

「は?潔癖じゃねーけど」

「え、だって手作りは気持ち悪いって前に……」

「そんなの名前も知らない奴のものなんて普通食えないだろ」


そう……だったんだ。

確かにファンの子達の差し入れとかすごいし、机や下駄箱に入れられたお菓子とかはクラスの男子にあげたりしてるよね。

私ずっと勘違いしてたからチョコも手作りにしなかったし、色々気使ってたけど……ん?いや、待てよ。


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