幽玄の國に誘われ


「あった!''……む、らは……め…つぼ……し……''……え? 滅亡?滅亡しちゃったの!? なんで!?」



私は急な展開に驚き顔をガバッと本から顔を上げると 部屋の中が既に薄暗くなっていることに気づいた。





「……あーー!!本に夢中になりすぎて片付けのことすっかり忘れてたぁぁぁぁ!!」





やっと当初の予定を思い出したが、もうすでに薄暗い部屋に長居したくなかった私は、片付けはまたの日にすることにして義祖母の部屋をあとにした。

すると、ちょうど下の階から 夕飯が出来たという義母の声を聞き居間へと向かった。












「さぁさぁ 胡珀ちゃん 今日もたくさん作ったからどんどん食べてね〜」



「うん!いただきまーす!!」




今日は私の好物の肉じゃががあったのでご飯と一緒に頂きます!ほんとお母さんの作る料理はなんでも美味しい!

私が美味しそうに食べるの姿を見て、義母は嬉しそうに顔を綻ばせた。





「そうだ胡珀ちゃん どう?片付けのほうは進んだ?」



「へ?ま、まぁ……それなりに……」




と、目をそらしつつあいまいな返事を返した。

まさか、片付けのことなんて忘れて本を読み漁ってました〜なんて言えるわけもない……

内心焦る私に気づくことなく義母は「そう?」とだけ言うと ご飯を美味しそうに頬張った。

私もお味噌汁に手を出すと、思い出したように話を切り出した




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