幽玄の國に誘われ
第1章 ~変化の兆し~
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────……よ……ま……めよ……
(……ん ……ここは……)
私は誰かの声がしたので目を開けると、そこには真っ暗闇の中だった
────……めざ……よ……
(うっ!!……なに?さっきから頭に響いてくるこの声は……)
私は声を出そうとするも声が出なかった。まるで、声を出してもすぐに闇の中へ吸い込まれていく感じだ
(はぁ……声を出すのはムリ……か……)
ならば、と私は今度は頭の中に響いてくる''声''に向かって語りかけた。
(あなたは誰? 私をどうしたいの?)
────古より……塞き止められし力……目覚めよ
今度ははっきりと聞き取ることが出来た''声''の言葉に眉をひそめた。
(古よりの力……? それは一体……?)
────時は満ちた 天命を授けられし乙女 ……目覚めの時が……
(……っ!?)
突如 後ろに現れた気配に反応して振り向くと、そこには黒く蠢く''何か''がいた。
(なに!?)
私は思わず 1歩足を引くと得体の知れない''何か''が私へと近づいてきた。
(え、ちょ、ちょっと!たんま!たんま!!私なんて食べても美味しくないから!!)
心の中で叫んでも、目の前にいる何かは歩みを止めることなくこちらへ向かってくる。 やがて、その黒い何かに私は包まれた。
私はぎゅっと目を閉じたが、一向に何も起こらない恐る恐る目を開くと、そこには先程とは全く違う暗い夜の森の中に立っていた。
(ここ……どこ……?なんだか体もフワフワするし)
そう言いながら 私は飛ぶように先に進むと開けた一帯へと出た。
(……ん? ……子供……?)
だだっ広い 野原の一帯の中央に女の子らしい子供を発見した。
私は、女の子に近寄ろうとすると、急に悲鳴が聞こえてきた。
────いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!やだ!やだぁぁ!!なんで!!なんでよぉぉ!!
(な、なに!?)
急なことにビクッとなり、やがてこちらの意識が遠のいていくのがわかった。
(ちゃ、まっ……!!)
静止も虚しくおわり意識は確実に現実へと向かい飛んでいった
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