君のいない世界なんて
「お前が生きててよかった」
微かに表情筋が動いた。結城は笑ったようだった。
「どうして…」
どうしてお前は、そうやって笑うんだよ。
私のせいで怪我したんだから罵倒すればいいのに。
「俺は…お前と一緒にいたいんだ」
結城は言った。
「お前がいない世界は何も変わらないかもしれない。
だけどきっと、俺はお前がいなくなった世界にはいられない。耐えられない。
お前が想像してる以上に、お前がいない世界の俺は寂しがってると思うぞ」
今度は確かに笑顔を見せてくれた。
……バカじゃねぇの。