過保護な彼に愛されすぎてます。
頭をぺこりと下げていると、吉原さんは「いや、坂井が謝ることじゃないけど」と言ったあとで「でも」と続けた。
「そんななのに、なんで付き合ってないんだ?」
「……詳しく話すと長くなるんですけど。早い話が、郁巳くんは私をそういう対象では見てないんです。母親とか、そんな感じに近いんだと思います」
不思議そうにキョトンとしていた顔が、だんだんと納得いかなそうにしかめられ……そのあとで、まさか、とでも言いたそうな笑みに変わった。
「あんな執着、恋人相手でもいきすぎてんのに、それはないだろ」
そう言い、親子丼をかきこむ吉原さんを見たあと、訂正は諦めて私も残りのクリームパスタを口に運んだ。