過保護な彼に愛されすぎてます。


そんな痛みも手伝って、なんとなくそれ以上テレビを見ている気にもならなくてオムライスを口に運んでいると、まだテレビを見ている吉原さんが「はは、必死」ともらす。

顔を上げると、吉原さんが呆れたような笑顔で説明した。

「噂だけど、真野さんって、若手のモデルキラーらしいんだよ。歳の割に見た目が若いから、若手モデルから生血すすってんじゃないかって下世話な雑誌に載ってたけど……なんかなー、見てても肉食感がすごいよな」
「そうですか?」
「今の〝郁巳くん〟だって、絶対わざとだろ。ああいう場所で、関係を進めたいみたいな発言するってことは、よっぽど不破が堕ちないから焦ってんだろうな」

吉原さんが「しゃべらなければ、いい女なんだけどなぁ」とぼやくのを眺めながら、考える。

たしかに、今のはテレビで言うことではなかったかもしれない。
話題性とか、そういうのもあるって郁巳くんに聞いたこともあるし、今のもその一種の効果を狙って……ってことなのかもしれないけれど。

恋愛面が出過ぎていた気がする。

「不破なんか、人気もあるし今、狙いどころなんだろ。まぁ、どんな頑張ったところで堕ちないだろうけど」

やれやれと言った感じで言った吉原さんが「ああ、でも」と私を見て笑う。

「しゃべると損するタイプっていうのは、不破にも真野さんにも言えるかもな」

真野さんは知らないけれど、明るくて世話焼きな部分がある郁巳くんは、一概には言えないとは思うものの。

胸に不快感があるせいで、なんとなく、郁巳くんをフォローする気にはならなくて、「そうですね」とだけ答えた。

テレビのなかでは、郁巳くんと真野さんが楽しそうに話していた。




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