過保護な彼に愛されすぎてます。
あとがき
あとがき
どんよりとしたこの作品を、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
短編のつもりが中編になり……短くまとめるのってやっぱり難しいなと痛感した次第であります。汗
郁巳は初めて書くタイプのヒーロー(気持ち的にはヒロインなのかな)でした。
今までも病んだヒーローは書いてきましたが、そのヒーローたちは、自分が病んでいることを知っていて、それが主人公を苦しめるものだともわかっていたので、ひとりでどこまでも苦しみ……そして、それに気付いた主人公が「ひとりで抱えこんでないでぶつければいいじゃん!」と胸倉掴むパターンがほとんどでした。
ところが郁巳は「俺、こんなだけど自分じゃ直しようもないし、奈央ちゃん、ありのままの俺を受け入れてくれるよね?」と脅迫めいたことを言うっていう……。
正直、これはナシだなーと思いながらの執筆でしたが、みなさんの目にもきっとそう映ったんだろうなーと。
……こんなヒーロー書いてしまってすみません。汗
でも楽しかったです。
ラスト、本来なら郁巳が病んだ一面を見せ、〝檻に鍵がかかったような気がした〟ってところで終わりだったんですが……。
うーん、とだいぶ悩んで、少し付け足しました。
基本、病んでいたお話ですが、ラストくらい、この先、奈央に手綱を持たれて振り回される郁巳っていう、明るいシーンを匂わせられればなと思い、こうしました。
今、みなさんのなかに残っているふたりが、少しでも明るい笑顔で会話していると嬉しいなぁと思います。
久しぶりの中編となりましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
また、違う作品でお会いできたら嬉しいです。
2016.3.24
pinori