“しちゃいけない恋”だったんです。
紫久礼も、しんどいはずなのに、ちゃんとついてきてくれた。
「…妃茉梨…、はぁ…大丈夫?」
息を切らしながらも、あたしを心配してくれる紫久礼。
「…大丈夫。」
息を整えて、あたしはそう答えた。
けど、大丈夫なわけがない。
今まで、お父さんの命令だから、ある程度受け入れてこられた。
けどそれが、赤の他人ではなくても、知らない人の命令だったと思うと、
これからどうするべきなのか、悩んでしまう。
悩んでも、結局は、今まで歩んできた道を、これから先も歩んでいかなければならないのだろう。