“しちゃいけない恋”だったんです。
「このまま放っておいたら、痛みに苦しみながら死ねるだろうね。」
「…はぁ…はぁ。」
なんとかしゃべろうとするも、声が出ない。
紫久礼は、不敵な笑みを浮かべて、去っていった。
それから数十分ほどたっただろうか。
意識は朦朧としているが、まだある。
この前みたいに、さっさと意識なんてとんでしまえばいいのに。
そしてそのまま、死んでしまえばいい…。
そんなことを思っていると、朦朧とする意識の中で、聞き覚えのある声がした。
「…笹本!?」